建築設計プラットフォーム
第38回 敷地計画を効率化しよう
~i-ARMによる建蔽率・容積率自動計算について~
【概要】
i-ARMでは、敷地形状や接道状況、用途地域などの情報をもとに基準建蔽率と基準容積率の算定を行えるコマンドがあります。複数用途地域による加重平均計算を自動計算したり、緩和条件を設定することも可能です。今回はその建蔽率・容積率コマンドについてご紹介します。
【必要な情報】
敷地 |
敷地の形状から面積計算を行います。 |
敷地境界線 |
前面道路幅員の計算に使用します。 |
用途地域 |
敷地と重なる区域を形状から算出し、設定されている指定建蔽率、指定容積率、前面道路に乗じる容積率低減率の情報を使用します。 |
【操作】
必要な情報が設定されていることを確認し、法規タブの「建蔽率・容積率コマンド」を実行します。
コマンドを起動すると、入力情報をもとに基準建蔽率や基準容積率などの値が自動で計算されて表示されます。
ビュー上では、敷地にかかっている区域の用途地域情報や面積を確認することができます。ダイアログ上では、算出された敷地面積や基準建蔽率、基準容積率などの数値を確認することができます。
複数用途地域の場合にも対応しています。
「区域別設定…」ボタンをクリックすると、敷地にかかる区域別の建蔽率・容積率計算の詳細内容の確認を行うことができます。
必要に応じて、各種設定、緩和条件などの設定を変更すると、変更内容を考慮して再計算が行われます。
*特定道路がある場合
以下の①~③の条件を満たす場合に、みなし幅員による容積率緩和を受けることができます(前面道路の幅員に加算が可能)。
①敷地の近くに幅員15m以上の特定道路がある
②特定道路に接続する前面道路の幅員が6m以上12m未満である
③敷地が特定道路から70m以内にある
【前面道路に加算する数値の計算式】
Wa = (12 - Wr) × (70 - L) / 70
Wa:加算する数値、Wr:前面道路幅員、L:特定道路までの距離
i-ARMでは「特定道路計算…」ボタンをクリックすることにより、特定道路を考慮した、みなし幅員の計算を簡単に行うことができます。
*緩和がある場合
緩和がある場合にはダイアログのチェックでそれぞれ設定を行います。
角地 |
特定行政庁が指定する角敷地の場合に設定します。 建蔽率を10%緩和して計算を行います。 |
耐火建築物等 |
耐火建築物等の場合に緩和条件として設定します。 敷地にかかる用途地域で防火、準防火地域の設定がされているときに建蔽率を10%緩和して計算を行います。 |
準耐火建築物等 |
準耐火建築物等の場合に緩和条件として設定します。 敷地にかかる用途地域で準防火地域の設定がされているときに建蔽率を10%緩和して計算を行います。 |
制限免除 |
特定行政庁が安全・防火・衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもので、建蔽率の適用除外となる場合に設定します。 |
【まとめ】
いかがでしたか。シンプルな計画地でも基準建蔽率や基準容積率を算出するのは意外と面倒なものです。コマンドを起動するだけでそれらの数値を簡単に確認することができるので、ぜひ一度お試しください。ヘルプ【建蔽率・容積率】にも詳しく記載がありますので、合わせてご確認ください。