株式会社小笠原設計(大阪府中央区)
「CtrlやShiftキーを組み合わせて異なるコマンドを割り当てられる点が特に気に入っています」

株式会社小笠原設計(大阪府中央区)
株式会社小笠原設計(大阪府中央区)

大阪で68年、東京で18年にわたり、官庁の設計を中心に手がける設計事務所です。 建築調査・企画・設計・監理をはじめ、耐震診断・補強設計、耐力度調査、老朽度調査など幅広い業務を展開されています。 また、認定こども園・保育所・老人ホーム・障害者施設などの民間福祉施設の設計にも携わられています。 今回は、意匠室の若手設計者である黒田健様に「DRA-CAD」の活用テクニックについてお話を伺いました。

事務所名

株式会社小笠原設計(大阪府中央区)

設立 1955年
所在地 大阪市中央区
主な物件 高砂市立阿弥陀小学校
京都大学超高層電波研究センター
大阪府営岸和田 大町第一期高層住宅
勝山南特別養護老人ホーム
エルムプラザ
大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
東京高専散田宿舎
M市消防署
神戸大学本部耐震解改修

ユーザーインタビュー

大学卒業後は、建築事務所ではなく他業種の会社に勤めていたと聞いております。黒田様のユニークな経歴についてお話しいただけますか?
黒田様
黒田様
はい、前職では溶接工として働いていました。ただ、もともと建築が好きで、大学も建築学部を卒業しています。 同期の多くは建築業界に進みましたが、授業で溶接を学んだことがきっかけで興味を持ち、溶接工になりました。

以前勤めていた会社は主に火力発電所のパーツなど、建築とは無関係な特殊な溶接を扱っていました。 ただ、手作業での溶接を希望して入社したのですが、実際にはロボットを操作する作業が中心でした。 業務内容が自分の理想とかけ離れており悩む中でもう一度建築に携わりたいと思い、現在の会社へ転職しました。
現在の業務内容について教えてください。
黒田様
意匠設計を担当しています。プロジェクトの多くは公共建築物で、 当社の業務は民間に比べて規模が大きいのが特徴です。ゼネコンとは異なり、企画から施工まで関われる点に魅力を感じています。
CADを操作されたのは「DRA-CAD」が初めてでしたか?
古沢様
いえ、大学ではAutoCADを使用していました。

「DRA-CAD」は入社後に『こんなに簡単!DRA-CAD』の本を見て習得しました。 慣れると直感的に使えて、AutoCADよりも扱いやすいと感じます。 特にキーボード操作をメインにしているため、キー割付け機能が便利ですね。 CtrlやShiftキーを組み合わせて異なるコマンドを割り当てられる点が特に気に入っています。
何か他の方とは違う「DRA-CAD」の活用方法があれば教えてください。
黒田様
主に図面作成で使用していますが、二次元図面だけでなく三次元モデルも活用しています。

例えば、大規模改修や新築プロジェクトでは三次元モデルを作成し、クライアントの要望に応じた断面図や立面図を素早く生成しています。 平面図から断面図を作成すると時間がかかりますが、最初に三次元で立体を作成すれば、必要な図面をスムーズに用意できます。

小規模改修の場合は二次元のみで作業するほうが効率的な場合もあります。そのため、プロジェクトの規模や内容に応じて三次元の活用を判断しています。 例えば、1,000㎡超の実験施設の改修では、梁を含めた三次元モデルを作成し、色付きの隠面除去図や立面・断面図を生成して図面を作成しました。
3DではCGパースも作成されますか?
黒田様
いいえ、パースの作成は外注しています。私は主に現地調査のために「DRA-CAD」のウォークスルー機能を活用しています。
現地調査の際にウォークスルー機能を活用されているのですか。詳細を教えて頂けますか?
黒田様
通常、現地調査では展開図を用意しますが、柱の側面などが分かりづらいことがあります。 そこで、三次元モデルをウォークスルーし、適切なアングルを見つけた上で二次元図面化し、それを持参して現地へ向かいます。 ウォークスルーの利点は、現地での視点に近い状態を再現できることです。展開図よりも直感的に確認しやすく、調査漏れを防げます。
ウォークスルー機能をプレゼンテーションではなく現場の調査に活用されているとはとてもユニークな活用方法ですね。とても面白いです。 貴重な情報をありがとうございます!
  
最後に、「DRA-CAD」を使っていて改善してほしいことなどがあれば教えてください。
黒田様
私は主にキーボードで作業を行うので、私ならではの要望とはなりますが、 ミラーコマンドのX軸/Y軸反転の選択や、キーボード操作をマクロ登録などをキーボードでできるようにして頂けると嬉しいです。 その他にも、ウォークスルーで視点の上下移動を矢印キーなどで操作できたりすると助かります。

活用事例

「DRA-CAD」を使用した中で、印象に残っているプロジェクトなどがあったら教えてください。
黒田様
某大学の実験棟改修設計が印象に残っています。以下の立面・断面図は「DRA-CAD」にて作成した三次元モデルを用いて生成しています。 当案件はこのような試みを始めて行いました。
「某大学の実験棟」
「某大学の実験棟」

おまけ

「実験棟_外・内部パース図」

黒田様
三次元モデルを作成し、「DRA-CAD」のウォークスルと隠線除去を用いて作成したパース図です。 実際にこの図面を使って建物調査を行い、改修設計を検討するために活用しました。
実験棟_外・内部パース図

「最後に」

今回は、異業種から建築設計へと転身し、若手設計者として活躍されている黒田様にお話を伺いました。 「DRA-CAD」を独自の工夫で活用し、三次元モデルを用いた図面作成や、ウォークスルー機能を現地調査に活かすなど、実務に即したユニークな使い方をされています。 柔軟な発想で「DRA-CAD」の可能性を広げていく黒田様のお話は、私たちにとっても新たな発見の連続でした。今後とも貴重なご意見をお聞かせいただけますと幸いです。 この度はお時間をいただき、誠にありがとうございました。
ぴーちゃん
建築ピボットマスコットキャラクター「ぴーちゃん」
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