? 日影規制に関する条件・用語の解説|株式会社建築ピボット

日影規制に関する条件・用語の解説

法五十六条の二 (日影による中高層の建築物の高さの制限)に記載されている条件や言葉の定義について説明したものです。

・規制日影時間

・規制対象建築物

・規制対象時間帯

・測定線

・測定面

・各地域ごとの測定面高さと規制日影時間


規制日影時間

日影規制は最も日照条件が厳しい冬至(昼が短く、太陽高度が低い)の太陽軌道を基準に設定されています(法五十六条の二 第1項)。法規の文言としては日影時間を規制していますが、本来、日照時間の確保が目的です。
1977 年に日影規制を制定した時、目標とする日照時間として、冬至の一日の有効日照時間8時間(8~16 時)のうち、日照時間として2時間確保、3時間確保、4時間確保の3つを設定しました。


また、以下2種類の測定範囲を設定しています。

・計画建築物の北側に建つ隣家の南面の窓の位置(5m以上10m未満の範囲)で目標とする日照時間を確保する

( 日影時間=8h-日照時間-1h(日影規制対象外の低層建物による日影))


・計画建築物の北東側または北西側に建つ先隣の家の窓の位置(10m以上の範囲)で目標とする日照時間を確保する

( 日影時間= ( 8h-日照時間 ) ÷ 2 )(朝夕の長く伸びた影による複合日影を考慮)



これらの条件により、敷地の周囲のある地点によって、一日(規制対象時間帯)の内どれくらいの時間日影になるかを下表のように制限しています。

表1)規制日影時間


規制対象建築物

地盤面からの高さが10mを超える建築物(第1種、第2種低層住居専用地域においては、軒高が7mを超える建築物または地階を除いた階数が3階以上の建築物)が日影規制の対象となります。


規制対象時間帯

日影規制では、真太陽時(一部の地域では中央標準時)の冬至日における8時~16 時(一部の地域では9時~15 時)の間を対象時間帯としています。日影時間は、この時間帯内で日差しが遮られている時間の総時間数ですから、最大でも8時間(6時間)ということになります。

図版 測定面・測定線(i-ARMで作成)


測定線

計画建築物がある敷地の境界線からの水平距離が、5m、10mとなる点を結んだ連続線のことを測定線と呼びます。日影規制時間が設定されている領域の境界を示します(異なる日影規制の地域が隣接している場合、その境界線も測定線として扱われます)。


測定面

日影規制では、日影時間を当該建物の敷地の平均地盤からの高さが1.5m(1階の窓中央を想定)、4m(2階の窓中央を想定)、6.5m(3階の窓中央を想定)、いずれかの水平面で測定します。この水平面のことを測定面と呼びます。
当該建物の敷地と周辺の敷地に高低差がある場合、平均地盤面からの高さではないこともあります。


測定面高さが高いということは、計画建築物の高さを低く見なすことになります。それに伴い計画建築物の影も短くなり、日影が影響を及ぼす範囲も小さくなります。ですから測定面高さが高いほど日影規制は緩やかになります。


各地域ごとの測定面高さと規制日影時間

表2)地域ごとの測定面高さと規制日影時間

※規制日影時間種別については表1)を参照


日影規制は上記の中から、各自治体が地域の実情に応じて適切な規制を選ぶことになります。




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