高さ制限
・高さ制限とは
新しい建築物(以下、計画建築物と呼称)が建つと、その建築物の周囲の道路、敷地では日照、通風、視覚的な広がりなどが阻害され、一般に環境が悪化します。
そこで計画建築物の”高さ”に対して、用途地域などの地域ごとに規制を設けています。これを高さ制限といいます。
ある敷地に建築物を建てる場合、建築物の敷地境界線に近い部分ほど、その周辺の環境に大きな影響を及ぼします。そこで高さ制限は、敷地境界線から離れるほど建てることのできる高さが高くなるようになっています。こうした高さの制限に沿った建築物の頂部は斜面を成しますから、一般には斜線制限と呼ばれています。
高さ制限は、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、高度地区に分かれています。
※下記は建築基準法五十五条、五十六条を要約したものです。実際には、建築基準法施行令百三十二 条、百三十四条、百三十五条の二、百三十五条の三、百三十五条の四に規定する緩和条項を考慮する必要があります。
・道路斜線制限
敷地境界線が道路に接している場合に適用される制限です。
前面道路の反対側の境界線から指定された勾配で斜面を作ります。その斜面と敷地で囲まれた領域が建築可能範囲です。制限を受ける範囲は容積率によって決まります。
・隣地斜線制限
敷地境界線が隣地に接している場合に適用される制限です。
敷地境界線上での高さの制限は直接与えられています。敷地内については、境界線上での高さ制限の上端から指定された勾配で斜面を作ります。その斜面と敷地で囲まれた領域が建築可能範囲です。
第1種、第2種低層住居専用地域や田園住居地域には隣地高さ制限はありません。そのかわりに一定の高さ限度があります。
・北側斜線制限
少しでも北に面している敷地境界線に対して適用される制限です。
敷地境界線上での高さの制限は直接与えられています。敷地内については、境界線上の高さ制限の上端から指定された勾配で斜面を作ります。
ただし、斜面の方向は南北軸の方向です(他の高さ制限は境界線に直角)。その斜面と敷地で囲まれた領域が建築可能範囲です。
北側高さ制限は、第1種、第2種低層住居専用地域、田園住居地域と第1種、第2種中高層住居専用地域だけに適用されます。
・高度地区
都市計画法に定められた高度地域内で適用される制限です。
内容は市や県ごとに定められていますので、各自治体にご確認ください。