
事務所名 |
山中建築造形舎 |
---|---|
設立 | 1991年 | 所在地 | 東京都千代田区 |
主な受賞歴 |
1993 年度設計競技最優秀案 「窓明の湯」(小豆温泉) 2018年 第1回ベトナム都市計画賞受賞 |

DRA-CADを初めてご利用になったきっかけは何でしたか?

山中様
独立前の会社でDRA-CADに触れて以来使い続けています。
慣れ親しんだCADなので、他のソフトに変えようと思ったことはないです。
DOS時代に各立面図を立て起こしてパースを作れるようになってから、3次元も活用しています。
現在一人で仕事をしていますが、以前在籍していたスタッフたちとチームを組んで仕事に当たることもあります。
構造や設備とのやり取りは、Jw_cadで行うことも多いですが、CADデータと一緒にPDFも送ってもらっています。
できるだけCADデータは変更せずPDFを出力した印刷物を成果物としているので、データ変換で困ることもありません。
DRA-CADの魅力を教えてください。

昔使っていたDOS時代(約20年前)のデータを、
最新のDRA-CADでも開けて操作できるのが良いです。
先日、何十年も前に手掛けた住宅のウッドデッキへの木製階段を、オーナーから別物件へ移設したいとの話がありました。
当時のデータを開いて、設計図をすぐにあたれたので助かりました。写真に写っているのはその設計図を模型にしたものです。

事務所に模型や、3次元のスケッチ、パースなどが多くあるのが印象的です。
3次元はどのように活用されていますか?

エスキースの段階で、最初に3次元モデルを作ることが多いです。
建物に曲面があったり、敷地に高低差があったりする場合は、
正確なスケッチを手書きで行うのは難しいです。
DRA-CADで立体にすれば、アングルを決めて、隠線除去を行えば線画が簡単に出来上がります。
DRA-CADで印刷した線画の上に、トレーシングペーパーを重ねて、手書きでスケッチを進める手法をとっています。
建物の正確なラインをCADで作り、それを手書きでトレースすることで、雰囲気の良いエスキースが行えます。

昔のDRA-CADと比べて現在のDRA-CADの性能は格段に上がっています。
近年、DRA-CADバージョンアップされたそうですが、印象に残っている部分はありますか?

DRA-CAD6からDRA-CAD19へバージョンアップした時、描画速度が上がって驚きました。
また、移動や複写コマンドのクリッピング機能も便利です。
1つのファイルに複数の図面を描くことも増えていて、複数範囲印刷の機能も助かっています。
DRA-CADに改善してほしい点や、ご要望などはありますか?

3次元の隠線除去表示の精度を上げてほしいです。
円柱同士が交わるような場面で、線がはみ出したりすることがあります。
また、ドラフタで角度を複数記憶して切り替えられるとうれしいです。
通り芯が複数回振れる計画も多いので。
その様な物件でしたら、「CTRLキーとSHIFTキーの同時押し」機能はご存じですか?

CTRLキーとSHIFTキーを押しながらクリックすると、
指定した図形と同じ角度に自動回転するのですか。これは便利ですね。
ちょうどそのような物件が来ているので助かります。

DRA-CADを使用した中で、印象に残っているプロジェクトなどがあったら教えてください。

この図面は、100,000haにおよぶベトナムの経済区の拡張マスタープランに携わった時のものです。
1haの正方形の塗り図形を、1,000個計画地にレイアウトしました。
数量は、図形のプロパティで一瞬で確認できますが、万が一塗り図形が重なってしまってはいけません。
そこで、正方形は半透明の塗り属性にしました。そうすると重なっている箇所があれば色が濃くなるので、
目視で正しく配置できたかをチェックしました。

「最後に」
今回は、DRA-CADを長年ご活用頂いている山中様にお話を伺いました。
他社ソフトではデータが古すぎると読み込めないことやエラーが起きたりすることなどがありますが、DRA-CADでは数十年前のデータも問題なく開くことができます。
エスキースのはじめの段階で3次元モデルを作成されることや、塗り属性で図面の中の正方形の色を半透明にし、正しく配置できたかを目視でチェックすることは、
長年DRA-CADを使用しているからこそ思いついた方法だと思いました。本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました!

