避難:歩行距離について


建築基準法では、居室がある階について災害時に短時間で避難できるように居室から直通階段や避難出口までの歩行距離を規定しています。


用語

避難階

地上への出口がある階

直通階段

避難階(地上)まで各階で途切れることなく続く階段


直通階段までの歩行距離    避難階の出口までの歩行距離


2以上の直通階段の重複距離



直通階段までの歩行距離

避難階以外で、居室がある階は、居室から直通階段までの歩行距離が制限されます。


歩行距離の求め方

1.全ての居室から直通階段までの経路を求める。

居室部分で直通階段から最も遠い位置に基点をとり、経路を求める。

直通階段が複数ある場合はそれぞれ経路を求め、短い方を採用する。

2.全ての居室の経路で、最も長い距離が歩行距離となる。


直通階段までの歩行距離(令120条)

適用建築物

主要構造部

準耐火構造・不燃材料


左以外の構造

14階以下

(避難階を除く)

15階以上

室内に面する部分の仕上げ

準不燃

左以外

準不燃

左以外

・特殊建築物

・階数3以上の建築物

・採光上の無窓居室のある階

・延べ面積>1000㎡の建築物

採光上の無窓居室

≦40m

≦30m

≦30m

≦20m

≦30m

百貨店や物販店など

病院や共同住宅など

≦60m

≦50m

≦50m

≦40m

≦30m

上記以外

≦60m

≦50m

≦50m

≦40m

≦40m


メゾネット式共同住宅(※1)

≦40m(※2)

※1 : 主要構造部が準耐火構造以上で、1住戸が2~3階のもの

※2:廊下への出入口のない階の居室の一番奥から直通階段までの距離




避難階の出口までの歩行距離

避難階では、階段から出口までの歩行距離と、避難階の居室から出口までの歩行距離が制限されています。

避難階の歩行距離(令125条1項)

階段から出口までの距離

適用建築物

主要構造部

居室、避難経路の壁

歩行距離

採光上の無窓居室

準耐火構造・

不燃材料

準不燃材料以上

≦40m

-

≦30m

上記以外

-

≦30m

百貨店や物販店など

準耐火構造・

不燃材料

準不燃材料以上

≦40m

-

≦30m

上記以外

-

≦30m

病院や共同住宅など

準耐火構造・

不燃材料

準不燃材料以上

≦60m

-

≦50m

上記以外

-

≦30m

上記以外


準耐火構造・

不燃材料

準不燃材料以上

≦60m

-

≦50m

上記以外

-

≦40m


居室(※)から出口までの距離

適用建築物

主要構造部

居室、避難経路の壁

歩行距離

採光上の無窓居室

準耐火構造・

不燃材料

準不燃材料以上

≦80m

-

≦60m

上記以外

-

≦60m

百貨店や物販店など

準耐火構造・

不燃材料

準不燃材料以上

≦80m

-

≦60m

上記以外

-

≦60m

病院や共同住宅など

準耐火構造・

不燃材料

準不燃材料以上

≦120m

-

≦100m

上記以外

-

≦60m

上記以外


準耐火構造・

不燃材料

準不燃材料以上

≦120m

-

≦100m

上記以外

-

≦80m

※避難上有効な開口部のある居室は除く




避難経路コマンド

避難経路コマンドでは、各階の居室から直通階段や避難出口までの避難経路(歩行距離)を算出して、計画している建物が避難上安全かどうかの確認や検討を行います。


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