モデルの基本構造 |
i-ARMで作成されるモデルの基本構造について解説します。
基本要素 | 階層構造と親子関係 | データブラウザ | |
モデルビューの特性 | モデルビューの種類 | ビューコレクション |
i-ARMのモデルを構成する基本要素はオブジェクト、モデルビュー、注釈となります。
オブジェクトは、例えば、部屋や壁、スラブなどの建物モデルを構成している物体要素を指しています。
モデルビューは、建物モデルを目的にあわせた表示状態で可視化するための表現要素で、例えば、立体表現する3Dビューや2Dによる平面、立面、断面ビューといったものから、法規確認用の天空率ビューや日影規制ビューなどになります。
注釈は、主にモデルデータを装飾するために使用される要素で、例えば、線分や円などの原始的な図形や文字、寸法線などがあります。
i-ARMのデータ内部は基本要素となるオブジェクト、モデルビュー、注釈が階層構造になって存在しています。製図CADなどのデータ要素は画層(レイヤ)概念はあるものの並列構造のイメージが一般的ですが、i-ARMのようなオブジェクトCADでは親となる要素が存在して、そこから子、孫へとデータが展開される階層構造のかたちをしています。
例えば、敷地があって、その子供に建物があり、建物の子供に階が存在していて、各階は兄弟関係になっているようなイメージです。この親子関係はデータの依存関係と直接結びついており、例えば、親となる建物を削除するとその子供となる階も一緒に削除されるという動きをします。
i-ARMのデータブラウザは、モデルデータの階層構造をツリー表示で表現しています。
初期データの階層構造 |
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1Fに壁を追加入力した場合 |
例えば、i-ARMを起動した初期状態で1F平面ビュー上でWe壁を入力すると、図のように1F階を親としてWe壁が子供の状態で登録されます。また、ここで1F階を削除したとすると子供のWe壁も一緒に削除されます。
i-ARMのモデルビューは入力されている共有データを目的に合わせた表現方法で可視化するために利用されます。
ここで言う共有とは異なるモデルビュー間でも同一のモデルデータを参照するということを意味します。例えば、モデル全体の3Dビューで見えている1FのWe壁と1F平面ビューで見えているWe壁は同一のデータを違う表現で表示しているだけで1F平面ビュー上でWe壁を削除すると3DビューでもWe壁が削除された状態となります。
また、モデルビュー自体にも親子の概念があり、ビューの親となる要素が削除されると子供であるビューも一緒に削除されるような依存関係があります。例えば、1F平面ビューは1F階オブジェクトを親要素としているため1F階オブジェクトを削除すると1F平面ビューもなくなります。
その他、この親子関係はビューに表示する要素にも影響しており、基本的にはモデルビューの親要素以下の子孫がビュー上で表示されるような仕組みになっています。
モデルビューの種類は用途や表現の違いで以下のように大別され、利用目的に合わせて作業画面上に表示したり非表示にすることで利用します。
用途による分類 |
モデルビュー |
モデリング用の作業ビュー 初期で自動で生成されている3Dや平面ビュー |
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図面ビュー |
図面の体裁を整えるためのビュー 図面作成コマンドで明示的に作成します |
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解析ビュー |
解析実行または結果をプレビューするための専用ビュー 解析系コマンドを実行すると自動的に生成されます |
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法規ビュー |
法規確認や計算、結果表示を行うための専用ビュー 法規系コマンドを実行すると自動的に生成されます |
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表現による分類 |
3Dビュー |
3D表現を目的としたビュー |
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平面ビュー |
2Dの平面表現を目的としたビュー |
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立面ビュー |
2Dの立面表現を目的としたビュー |
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断面ビュー |
2D/3Dの断面表現を目的としたビュー |
i-ARMのビューコレクションはモデルビューの状態をツリー表示で表現しています。
ツリー上のアイテムをダブルクリックすると対応したモデルビューが作業画面上に表示されます。