3.3.3 3次元図形の編集

すでに描いてある3次元図形を編集・修正することで作業効率を大幅にアップします。

3次元図形を編集するには、以下のようなコマンドがあります。

[移動:3D ]

3次元図形を移動します。移動の方法は以下の2種類があります。

【移動:3D(図面から)】

移動の基点と目的点を図面から位置を指定して移動します。

【移動:3D(移動量指定)】

移動量(X,Y,Z)を設定して移動します。

[☐移動量]

[☑移動量]

[回転角]

[X軸]

[Y軸]

[Z軸]


[複写:3D

3次元図形を複写します。複写の方法は以下の4種類があります。

【複写:3D(図面から)】

〔マウス〕タブ

複写の基点と目的点を図面から位置を指定して複写します。

【複写:3D(移動量指定) 】

〔直列〕タブ        

間隔(X,Y,Z)と個数を設定して図形を直線的に複写します。

〔配列〕タブ

間隔(X,Y,Z)と個数を設定して図形を縦横上下に複写します。

〔回転〕タブ

角度と個数を設定して図形を複写します。


〔マウス〕タブ

[倍率]例:X、Y、Z=2

〔直列〕タブ

[X、Y、Z/個数=1]

〔配列〕タブ

[X、Y、Z/個数X、Y、Z=1]

〔回転〕タブ

[Z軸120°/個数=2]

[ミラー:3D

3次元図形を上下、左右、斜めに反転移動、または反転複写します。

[X方向]

[Y方向]

[Z方向]

[面]

[基準線]

[3点指定]

[ストレッチ:3D

範囲を指定して、範囲内に含まれる3次元図形の頂点を移動して変形します。変形の方法は2種類あります。

【ストレッチ:3D(図面から)】

移動の基点と目的点を図面から位置を指定して変形します。

【ストレッチ:3D(移動量指定)】

移動の距離(X,Y,Z)を設定して変形します。

[☐移動量]

[☑移動量]

補足

  • ポリゴンの頂点は同じ平面上になくてはなりません。頂点が同一平面上にない歪んだ面を作成してしまうと、面の向きが正しく計算されないため、面の色が正しく表示されません。歪んだ面を作成した場合は【不良面チェック】 コマンドで確認または修正してください。


[切断 ]

図形を切断してカットしたり、二つに分けたりします。3点で切断したい面を指定すると、設定した方向が切断されます。

[☐二つに分ける]

[☑二つに分ける]

補足

  • 柱、壁、直方体などの3次元図形作成コマンドで作成した立体と、引き伸ばしコマンドで引き伸ばした図形を切断した場合は、切断面にポリゴンのふたをします。立て起こしコマンドで組み立てた立体やパッケージ解除した図形の切断面は描かれません。


ブーリアン演算

DRA-CADで作成される3次元図形は、「サーフェスモデル(中身がない紙細工のようなモデル)」ですが、ブーリアン演算で立体の合成、壁面への穴あけなどの操作ができます。

ブーリアン演算とは、3次元モデリングの技術のひとつで、重なり合った複数の立体に対して処理する立体操作です。重なった複数の立体をひとつの塊にする「和」、重なった立体を削り取る「差」、重なった部分だけを取り出す「積」といった処理を行います(それぞれ数学でいう集合の操作=演算に相当するので、集合演算と呼ばれています)。

【ブーリアン演算】コマンドで2つの図形の集合演算(合成・交差・切り欠き)の処理を行います。

[総和・和]

[積]

[差]

[利用方法]

それぞれの建築モデルにおける適用例は、以下のようなものが考えられます。

デザインシミュレーションでのアイデアしだいで適用できる場面は数多くある汎用機能です。

[和]

・同じ材質(コンクリート躯体など)の立体を1つにまとめて、体積を測る

・レンダリングのテクスチャマップの原点を共有するために1つの立体にする

[積]

・2つの立体が交差する形状を求める(半球と直方体など)

[差]

・曲面壁など複雑な立体へ開口をあける

・壁や床に窪みや凹みをつける

・内部を作成しておいて、型抜きで形を作成する

補足

  • [総和]、[和]で合成された図形は1つのパッケージになっており、選択時に単一図形として扱われます。【パッケージ分解】コマンドを実行すると、各々の面に分かれ編集できます。
  • ブーリアン演算は3Dパッケージしか指定できません。