3.1.4 表示の種類

隠面除去表示

3次元図形は、通常は線画だけで表示(ワイヤーフレーム表示)されています。隠れた面を消す処理(隠面処理)を行うことによって、実際の立体により近い表現が行えます。

[ワイヤーフレーム表示]        

[隠面除去表示]

線画表示(見えない線も表示)

面表示(見えない部分は表示しない)

【隠面除去表示】コマンドを実行すると、面を塗りつぶすことによって、視点から見て手前の面に隠れて見えなくなる後の面や線分を非表示にします。面同士の前後関係がはっきりし、ワイヤーフレームの状態より、モデルの確認が容易になります。

[表示]メニューの〔隠面除去〕パネルのをクリックすると、隠面除去設定ダイアログが表示され、隠面除去に関する設定を行えます。


[Zバッファ]

フレームバッファ(画像を記憶するバッファ)を、ピクセルごとの色を記憶するイメージバッファと、そのピクセルのZ方向への奥行き(視点からの距離)を記憶するZバッファにわけて、画像を格納します。画面を塗りつぶす量(画面サイズ)に比例して処理時間が長くなります。
ただし、データ数が少ない場合にはツリーを作成する時間がないので、[BSPリストプライオリティ]よりも高速に表示できる場合があります。

また、オプションとして[白黒表示]、[裏面表示]が行えます。

[BSPリストプライオリティ]

一度BSPツリーという内部データを作成するので、連続的に視点を変えて見たい場合に[Zバッファ]よりも高速に表示できます。
ポリゴンの境界線を表現できるので、(白黒表示なら)メリハリの効いた表現ができます。

また、オプションとして[白黒表示]、[裏面表示]、[エッジ表示]、[線分表示]を設定できます。

[OpenGL]

機種やOSによらない汎用の3次元グラフィックス・ライブラリで、照明、材質の効果を表現した3次元図形を表示できます。
OpenGL対応のグラフィックスカードを導入することで、高速な隠面除去表示が可能になります。ただし、ポリゴンの境界線は表現できません。

また、オプションとして[白黒表示]、[裏面表示]、[材質表示]、[影表示]を設定できます。

[Zバッファ]

[BSP/☑エッジ表示]

[OpenGL/☑材質表示]


表示範囲指定

現在表示している3次元図形を必要な範囲のみ表示します。

【表示範囲指定】コマンドで範囲を指定し、【表示範囲の切り替え】コマンドで指定した表示範囲内にあるデータのみ表示または解除します。

3次元図形の2次元化

現在表示している3次元図形を2次元編集画面の新しいウィンドウに作成します。
作成されたデータは2次元の線分なので、文字を書き加えることや、線分を編集できます。

[2次元投影図 ]

現在表示されている3次元図形をワイヤーフレーム表示のまま、2次元の線分で作図します。

[隠線除去表示 ]

現在表示されている3次元図形を視点から見て、手前の面に隠れて見えなくなる後の面の輪郭(ポリゴン)や線分を削除し、2次元の線分で作図します。見えない線は作図しません。

[ワイヤーフレーム表示 /3次元]

[2次元投影図/2次元]

[隠線除去表示/2次元]


補足

  • 【部分隠面除去表示:ZBUF】コマンドで範囲指定した部分のみを[Zバッファ]で隠面除去表示することもできます。


[平面パース ]

任意の高さから俯瞰した平面パースを作成します。

[断面パース ]

任意の平面で切断した断面を一点透視法で表示した断面パースを作成します。

[ワイヤーフレーム表示/3次元]

[平面パース/2次元]

[断面パース/2次元]

[立面図 ][断面図 ]

任意の位置から指定した立面図、または断面図を作成します。

[展開図(3D) ]

指示した位置から、方向を指定し、展開図を作成します。

[ワイヤーフレーム表示/3次元]

[立面図/2次元]

[展開図(3D)/2次元]


動き

[アニメーション ]

アニメーションを行う経路にカメラを設定し、Open GLを用いた簡易アニメーションを行えます。建物を実際に見て回る感覚で再生できます。また、作成されたカメラを選択し、AVIファイルで保存できます。

新規にカメラを設定または既存のカメラを選択すると、アニメーションが再生されます。


[ウォークスルー ]

マウスを動かすことにより、Open GLを用いて歩き回るような感覚で3次元モデルを表示させます。

施主に対するインタラクティブなプレゼンテーションやアニメーションへの転用などに便利です。

画面の中心に十字とラバーバンドが表示されます。マウスをドラッグするとウォークスルーを行います。

[建物の内部を移動]        

[建物の周りを回転]

[フライスルー ]

Open GLによるモデル周辺を自由に飛び回ったような表示を行います。
視点と注視点がカメラ座標で左右、前後に平行移動や、視点がカメラ座標で上下に移動します。