2.6.4 その他のファイル操作

レイアウト機能

レイアウト機能とは、1枚の用紙に異縮尺や複数の図面を配置して印刷する機能で、【レイアウト作成】コマンドで用紙サイズや名称、ビューポート(描画領域)の数と位置を設定し作成します。

レイアウト図面には異なる縮尺を持った、複数のビューポートが挿入できます。そのため、レイアウトの「図面縮尺」は通常1/1で作成されます。

【レイアウト管理】コマンドで作成したレイアウトの用紙サイズや名称などを変更でき、【レイアウト切替】コマンドで元図面とレイアウトを切り替えられます。

[元図面]

[レイアウト]


また、【環境設定】コマンドの「図面」-「ウィンドウ」-[タブでレイアウトを切り替える]に☑を入れると、作業ウィンドウ下にレイアウトタブが表示され、元図面とレイアウトの表示を切り替えられます。

ビューポートは、【ビューポート挿入】コマンドで用紙の中に複数作成したり、3次元表示(パース)のビューポートを挿入することもできます。

また、【ビューポート設定】コマンドで、縮尺の変更や基点などを変更でき、【ビューポート分解】コマンドでレイアウト上の図形として分解できます。

【図形のプロパティ】コマンドまたは【プロパティパレット】でビューポートの情報が表示され、縮尺の変更や基点などを変更できます。


[ビューポートの情報]

レイアウト基点(X座標/Y座標)

3次元

元図面基点(X座標/Y座標)

投影法

縮尺

視点(X座標/Y座標/Z座標)

回転

注視点(X座標/Y座標/Z座標)

表示(する/しない)

焦点

スナップ(する/しない)

レイヤ(すべて表示/個別指定/同期)

透明度(%)

パーツパレット

【パーツパレット】は、他のファイル(MPUW、MPS/MPZ/MPX/MPW/MPP/BMP/JPG/PNG/TIFファイルなど)に登録されている図面要素を、現在作図中の図面に挿入する、または新規ファイルとして開きます。

表示されているパーツを図面へドラッグ&ドロップすることで、パーツを新規に開くことや展開してその図面へ貼りつけるなどの他、シンボル図形やブロック図形、オーバーレイ図形として登録できます。


ドラッグ&ドロップ機能

作業ウィンドウ上にエクスプローラー、またはWebブラウザからリンク先のファイルをドラッグ&ドロップすると、ファイルを開くことや、部品またはオブジェクトとして挿入できます。

1.エクスプローラーで、ファイルを指定し、作業ウィンドウにドラッグする。

2.ボタンを離すと、メニューが表示される。操作を選択すると、指定したファイルが表示される。

[図面ファイルの場合]

[開く]

図面ファイルを開きます。

[展開して貼り付け]

図面を展開して貼り付けます(【コピー&ペースト】コマンドのペーストと同様の機能)。

[シンボル挿入]

シンボルとして挿入されます。

[ブロック挿入]

ブロックとして挿入されます。

[オーバーレイ挿入]

オーバーレイファイルとして挿入されます。

[画像ファイルの場合]

[画像挿入]

画像データとして挿入されます。

[画像挿入(2点指定)]

作業ウィンドウ上で画像の幅または高さを設定し、画像データとして挿入されます。

[オブジェクト挿入]

オブジェクトデータとして挿入されます。

[Excelファイルの場合]

[オブジェクト挿入]

オブジェクトデータとして挿入されます。

[図形として貼り付け]

DRA-CADの図形要素として図面に貼り付けます。

補足

  • DRA-CADアソシエイトの「パーツコレクションのページ」では、図面作成を支援するための高品質な各種パーツデータを公開しています。各カテゴリーのページからパーツデータのアイコンを直接ドラッグ&ドロップで作業ウィンドウ上に挿入できます。
  • Webブラウザからファイルをドラッグ&ドロップできるのは、CADファイルや画像ファイルへのリンクになっているボタンや画像、文字列です。
  • お使いのブラウザの種類およびバージョンによっては、ドラッグ&ドロップでの貼り付けができない場合があります。


レイヤパレット

【レイヤパレット】では、現在の図面にない図形だけ、他の図面のデータから取り込むことや、現在の図面と他の図面のデータを入れ替えられます。
「設定ダイアログ」と「右クリックメニュー」から行えますが、対象のレイヤが異なります。

「設定ダイアログ」からは、☑を入れている同じレイヤ番号同士、各レイヤに対して1対1。

「右クリックメニュー」からは、1つのレイヤに対して複数のレイヤの取り込みや入れ替えが行えます。

設定ダイアログ

右クリックメニュー


例:複数のメンバーで作業する。設計主任からBさんへ指示し、修正して戻す。

利用例①:右クリックからの「スイッチ」、レイヤ85番に書かれた図形をレイヤ85番と入れ替える(スイッチ)

①設計主任からBさんに図面を渡し、レイヤ85番に設備機器を入れるよう依頼。

②Bさんの操作:受け取った図面のレイヤ85番に設備機器を入れる。

受け取った図面

受け取った図面のレイヤ85

レイヤ85に設備機器を追加

③保存後、設計主任に図面を戻す。


④設計主任の操作:作業中の図面のレイヤ85番の図形と戻ってきた図面のレイヤ85番の図形を入れ替える。

レイヤ85番で右クリック→[他の図面とスイッチ]を選択→ファイルを選択

レイヤ85番のみ表示→[OK]ボタン

変更前

変更後


利用例②:設定ダイアログからの「マージ」

複数のメンバーで作業し、複数のレイヤに分かれた図形を取り込む

①設計主任からBさんに図面を渡し、空レイヤに設備機器を入れるよう依頼。

②Bさんの操作:受け取った図面の空レイヤに設備機器を入れる。

③保存して、設計主任に図面を戻す。

④設計主任の操作:作業中の図面に取り込みます。
レイヤはバラバラに書かれているので、「すべてのレイヤを表示」、「すべてのレイヤにチェック」を入れて、「設定ダイアログ」から「マージ」で取り込みます。
このときに何番に描かれたかがわからなくても、いくつかのレイヤに分かれていても、「すべてのレイヤを表示」、「すべてのレイヤにチェック」を入れることで、同じ位置に書かれた図は取り込まず、書き足されたレイヤの図形だけを取り込めます。