2.4.7 定義図形

定義図形は、それぞれの要素が定義できる他のCADとのデータ交換に便利な要素を持った図形です。

引出線図形

引出線図形は、引出線を構成する線分、矢印記号、引き出して記入してある文字と、文字を囲む図形(四角、楕円)を1つの要素とします。

DRA-CADで表現が可能な引出し形態は、通常引出線、矩形付き引出線、楕円付き引出線の3種類で、【引出線】コマンドで作図します。

また、【分解】コマンドで、線分または円・文字のデータに分解できます。

[通常引出線]

[矩形付き引出線]

[楕円付き引出線]

[引出線図形の情報/引出線]

引出線タイプ(通常/矩形付き/楕円付き)

矢印形状

矢印サイズ1・2

線分数

[引出線図形の情報/引出線文]

位置(X座標/Y座標)

タイプ(シングルテキスト/マルチテキスト)

原点

サイズ(高さ/幅/間隔/改行幅/傾き)

回転角度

フォント(フォント名/文字飾り)

文字列

属性(カラー/線幅)

背景色で塗りつぶし

[矩形付き引出線/楕円付き引出線]のみ

文字囲:基点(X座標/Y座標)

        :サイズX・Y

        :空きX・Y

また、【引出線編集】コマンドで、移動や複写、ストレッチ、文字編集などの編集を行えます。

例:[ストレッチ]

補足

  • 【属性/書式コピー】コマンドでは、既存の引出線と、同じ情報(引出線文字、矢印形状・サイズ)に変更できます。
  • 【単一選択】、または【標準選択】で、引出線図形をクリックして選択できます。

寸法線図形

寸法線図形は、寸法線を構成する線分、矢印などの止め記号、寸法値を表す文字を1つの要素とします。

DRA-CADで表現が可能な寸法形態は、直線寸法線、水平・垂直寸法線、角度寸法線、円弧長寸法線、半径寸法線、直径寸法線の6種類で、【通り心】コマンド、【寸法線】コマンドで作図します。

また、【分解】コマンドで、線分または円・文字のデータに分解できます。

[直線寸法線]        [水平・垂直寸法線]        [角度寸法線]

[円弧長寸法線]        [半径寸法線]        [直径寸法線]

[寸法線図形の情報/寸法線]        

寸法線タイプ(直線/水平・垂直/角度/・・・)

オフセット(補助線1/補助線2)

延長(補助線1/補助線2)

延長(寸法線始点/寸法線終点)

矢印形状(寸法線始点/寸法線終点)

矢印方向(寸法線始点/寸法線終点)

サイズ1・2(寸法線始点/寸法線終点)

文字位置

数値浮き

上方向回転角


[寸法線図形の情報/寸法文字]

位置(X座標/Y座標)

タイプ(シングルテキスト/マルチテキスト)

原点

サイズ(高さ/幅/間隔/改行幅/傾き)

回転角度

フォント(フォント名/文字飾り)

小数点以下桁数

単位

数値

文字列

属性(カラー/線幅)

背景色で塗りつぶし

[形状の選択]で直列寸法のほかに、累進寸法(追い寸法)を選択できます。

[直列寸法]

[累進寸法]

補足

  • 【属性/書式コピー】コマンドでは、既存の寸法線と、同じ情報(寸法線文字、矢印形状・サイズ、補助線オフセット・延長長さ、寸法線延長長さ)に変更できます。
  • 【単一選択】、または【標準選択】で、寸法線図形をクリックして選択できます。


寸法線図形の編集

[直線寸法線]は、以下のコマンドで編集できます。

【寸法線の合成 】コマンド

複数の寸法線を選択すると、一直線上に並ぶ1つの寸法線になります。

【寸法線の追加 】コマンド

指定した寸法線の上下左右に追加します。

[上下の間隔]に☑した場合は、上下方向を指定すると、設定した間隔で上または下に寸法線が追加されます。

☑を外した場合は、指定した位置に寸法線が追加されます。

[☑上下の間隔 300]

[☐上下の間隔]


【寸法線の分割 】コマンド

寸法線を選択し、分割位置を指定すると、指定した位置に寸法線が分割されます。

【寸法線の足出し 】コマンド

指定した寸法線に補助線を作図します。

「補助線なし」の設定で、補助線が非表示になってる寸法線は、補助線が表示されます。

補助線を作図していない寸法線は、指定した位置に補助線が作図されます。

「補助線なし」の設定の場合        補助線を作図していない寸法線の場合


ハッチング図形

ハッチング図形は、ハッチング図形を構成する拡張ポリライン、ハッチングの基点、間隔、属性などを1つの要素とします。

DRA-CADで表現が可能なハッチング図形は、ユーザー定義ハッチング、パターンハッチング、塗りハッチング(グラデーション)、画像ハッチング、網掛けハッチングがあります。

【ハッチング図形】コマンドでは、ハッチングの種類を指定し、拡張ポリラインを作成して作図したり、穴のあいた図形を表現できます。

また、【パターンハッチング】、【塗りハッチング】【画像ハッチング】、【網掛けハッチング】コマンドで直接、作図できます。

[ユーザー定義ハッチング]

[パターンハッチング]

[塗りハッチング]

[塗りハッチング/グラデーション]

[画像ハッチング]

[網掛けハッチング]

[穴のあいた図形]


ハッチング図形は、【分解】コマンドで、線分または円弧のデータに分解したり、【ストレッチ】または【ピンセット】コマンドなどで変形できます。

例:【ストレッチ】

[ハッチング図形の情報/拡張ポリライン]

タイプ(拡張ポリライン)

要素数

穴の数

周長

面積

透明度(%)

[ハッチング図形の情報/ユーザー定義ハッチング]

基点(X座標/Y座標)

間隔

回転角度

属性(カラー/線種/線幅)

[ハッチング図形の情報/パターンハッチング]

基点(X座標/Y座標)

間隔1・2

角度1・2

拡大率(X方向/Y方向)

回転角度

パターン名

属性(カラー/線種/線幅)

[ハッチング図形の情報/グラデーション]

始点(X座標/Y座標/カラー)

終点(X座標/Y座標/カラー)

差分


[ハッチング図形の情報/画像ハッチング]

ファイル名

パス名

基点(X座標/Y座標)

サイズ(X方向/Y方向)

回転角度

[ハッチング図形の情報/網掛けハッチング]

タイプ(ドット/ライン)

線数

濃度

基点(X座標/Y座標)

回転

属性(カラー)

印刷時以外は半透明表示

ドットは120度で作成


補足

  • 【属性/書式コピー】コマンドでは、既存のハッチング図形と、同じ情報(色またはパターン)に変更できます。
  • 作成されたハッチング図形は1つのパッケージになっており、【単一選択】、または【標準選択】でハッチング図形をクリックして選択できます。
  • ハッチングパターンを変更する場合は、ダイアログボックスでパターンを変更し、再度ハッチング図形を選択します。

  • 【環境設定】コマンドの「表示」-「図形と部品」-[ポリライン頂点にマーカー表示]に☑を入れると、拡張ポリラインの各頂点にマーカーを表示します。マーカーのサイズは、[ポリラインマーカー]で設定できます。また、ステータスバーから【表示設定】コマンドの「マーカー表示」-[ポリライン頂点]でONとOFFを切り替えられます。
  • DRA-CAD8以前では、[画像ハッチング]のハッチング図形内の画像は表示されません。


線上配置図形

【材料記号線上配置】コマンドで、地盤、割栗、畳などのよく使われる材質記号を線分上に作図したり、ボックスやCチャンなどの任意形状を登録し、配置できます。

材料記号:
[コンクリート/  厚さ/中央]

間柱:[図形の登録]

[図形の配置]

線上配置図形は、【分解】コマンドで、線分または円弧のデータに分解することや【ストレッチ】または【ピンセット】コマンドなどで変形できます。

例:【ストレッチ】X:1000

[線上配置図形の情報/ポリライン]

タイプ(ポリライン)

要素数

分割数

状態(開いた)

周長

面積

透明度(%)


[線上配置図形の情報/既定義材料記号]

材料種別

サイズA・B

開始/終了空き

幅A・B

描画(基準線/ダブル線)

属性(カラー/線種/線幅)

[線上配置図形の情報/ユーザー定義材料記号]

中間図形/始点図形/終点図形

オフセット

尺度

回転

間隔

個数

始点/終点空き

幅(始点/終点)A・B

描画(基準線/ダブル線)

属性(カラー/線種/線幅)

補足

  • 【単一選択】、または【標準選択】、線上配置図形をクリックして選択できます。


領域図形

領域図形は、領域の範囲を示す拡張ポリラインと、領域の属性(名前など)を1つの要素とします。
用途に応じた領域図形を作成することで、建築計画の初期段階のスペース検討やLAB-SS(日影・天空率・斜線と日射量計算プログラム)、SAVE-建築(PAL/CEC/ポイント法 建築物(非住宅)の省エネルギー計算プログラム)への転送を効果的に行えます。
また、作成・編集した領域図形から集計を行い、集計表を作成できます。

【領域作成】コマンドで領域となる「拡張ポリライン」と領域の名称となる「文字」が一体となった領域ポリラインを作成します。【領域属性編集】コマンドで、領域属性(種別/名前/追加属性)の編集や、新規に項目を追加できます。

また、【分解】コマンドで、線分または円弧・文字のデータに分解できます。

【領域集計】コマンドで集計する範囲を指定すると、レイヤ―、塗りカラー、グループごとに領域の面積を集計して面積表を作成します。

[領域図形の情報/拡張ポリライン]

タイプ(領域)

要素数

穴の数

周長

面積

透明度(%)


[領域図形の情報/領域文字]

位置(X座標/Y座標)

タイプ(シングルテキスト/マルチテキスト)

原点

サイズ(高さ/幅/間隔/改行幅/傾き)

回転角度

フォント(フォント名/文字飾り)

文字列

属性(カラー/線幅)

背景色で塗りつぶし

[領域図形の情報/領域属性]

GUID

名前

種別

原点位置(X座標/Y座標/Z座標)

文字列非表示

追加属性


補足

  • 【領域集計】コマンドで図面上の領域図形をレイヤ―、塗カラー、グループ番号単位で集計し、集計表を作成しますので、あらかじめ集計項目ごとに属性を設定して作成してください。
  • 領域図形の拡張ポリラインと文字列は、アクティブカラーで作図されます。
  • 【領域作成】コマンドで領域のX,Y方向長さをリストにしたCSVファイルを一括配置できます。
  • 【属性/書式コピー】コマンドでは、既存の領域図形と、同じ情報に変更できます。
  • 塗りカラーが設定されている場合、領域内部は現在の塗りカラーで塗りつぶされて作図されます。
  • 【単一選択】、または【標準選択】で、領域図形をクリックして選択できます。
  • 【環境設定】コマンドの「表示」-「図形と部品」-[ポリライン頂点にマーカー表示]に☑を入れると、拡張ポリラインの各頂点にマーカーを表示します。マーカーのサイズは、[ポリラインマーカー]で設定できます。また、ステータスバーから【表示設定】コマンドの「マーカー表示」-[ポリライン頂点]でONとOFFを切り替えられます。
  • DRA-CAD8以前では、領域データ内の文字などの属性はなく、普通の拡張ポリラインになります。