2.4.6 文字

漢字、かな、英数の文字列です。以下のフォントを使用できます。

・DRA-CAD独自のベクターフォントであるDRA-CADフォント
・WindowsのTrueTypeフォント
・プリンターフォント

TrueTypeフォントは、ボールドやイタリック文字で記入することや、文字列に下線や取消し線などの装飾をつけて記入できます。

【文字記入】コマンドで、記入する文字列、文字サイズなどを設定して、図面に配置や指定範囲内での均等割付ができます。

[文字サイズ]

[幅固定均等割付]

[間隔固定均等割付]

[文字の情報]

位置(X座標/Y座標)

タイプ(シングルテキスト/マルチテキスト)(文字/数値文字)

原点

サイズ(高さ/幅/間隔/改行幅/傾き)

回転角度

フォント(フォント名/文字飾り)

文字列

背景色で塗りつぶし

3次元


【文字流し込み】コマンドは、閉じた2次元図形内に収まるように文字を記入します。

【線に合わせて文字記入】コマンドは、図面上の線分、円弧に合わせて文字を配置できます。

線分

円弧

【文字連番記入】コマンドは、連番になる文字列を記入することや、既に書かれている文字列を書き換えられます。

例:接頭に文字を付けて1つずつ繰り上げて円を記入する

文字スタイル

【文字スタイル登録】コマンドで、記入する文字列のサイズなどをあらかじめスタイルとして名前をつけて登録できます。

【文字記入】コマンドなどで文字を記入する時に、「スタイル名」を選択するだけで登録されたフォント、サイズなどで記入できます。

[登録の方法]

[新規]ボタンをクリックして、文字スタイル名を入力し、文字列のサイズなどを設定すると、文字スタイル管理リストに登録されます。


補足

  • 【環境設定】コマンドの「表示」-「全般」-「描画方法」で[DirectX]、またはステータスバーの【表示設定】コマンドで[DirectX]を設定した場合、文字は内部的に線分化(拡張ポリライン)に変換して描画されるため、滑らかな表示にならない場合があります
  • 表示」-「文字」で[文字の原点を表示]に☑を入れると、文字原点を○で表示します。
    また、「表示」-「色」-「システム色」-[文字原点]で文字原点の色や、「表示」-「文字」-「文字原点マーカー」でマーカーの表示サイズを設定できます。

[文字原点:左下/灰色3ドット]

[文字原点:左下/赤5ドット]

[3D時に文字を表示]に☑を入れると、3次元編集モードでも文字列を表示できます。

[☐3D時に文字を表示]

[☑3D時に文字を表示]

  • 【図形のプロパティ】コマンドまたは【プロパティパレット】で表示方向を変更できます。


数値文字

数値または寸法値として記入された文字列です。

数値文字は通常の文字同様に、サイズなどの配置条件の他、次の属性をもって記入されます。

[数値文字属性]

小数点以下桁数の設定

表示単位(㎜/㎝/m/㎞)

末尾の0を削除

一番下の位を0または5で丸める

桁区切りの記号(,)の指定

[数値]

[寸法値]

以下のコマンドで数値文字として配置できます。数値以外に、固定文字列を付与することもできます。

【面積文字記入】コマンドで指定したポリラインや領域の面積

【長さ文字記入】コマンドで指定したポリラインや領域の長さ

【勾配文字記入】コマンドで指定した線分などの角度

【面積文字記入】

【長さ文字記入】

【勾配文字記入】


例:【面積文字記入】コマンドで面積を記入

また、【計算文字記入】コマンドは、【面積文字記入】コマンドなどで作成した複数の文字や数値文字同士を四則演算し、数値文字として配置できます。

数値文字は、【ストレッチ】コマンド、または【ピンセット】コマンドなどで図形を変形すると、文字列も書き換わります。

例:【面積文字記入】コマンド


文字テンプレート

【文字記入】コマンドなどで文字を入力する時に、記入する文字列をテンプレートファイル(テキストファイル)から選択することで、文字を入力できます。

文字テンプレートにある「エスケープ文字」は、上付・下付などの表現やUNICODEを表示・印刷するための特別な記入の仕組みで、「テキストコード」は、図面の中に記入している特定の書式の文字列を現在の情報に自動的に置き換えて表示・印刷する仕組みです(詳細は、『付録』の「付.4 文字の拡張機能」を参照)。


また、【テキストパレット】でも記入する文字列をテンプレートファイル(テキストファイル)から指定することもできます。

【文字記入】コマンドなどで文字を入力する時に文字列を選択します。[転送]ボタンをクリック、または文字列をダブルクリックすると入力されます。

補足

  • 文字記入のドラッグ中に、[Ctrl]キーを押しながらテンキーの数字を押すと、原点位置を変更できます。


文字の編集

[文字のサイズ変更]

【文字サイズ変更】コマンドで、記入した文字列のサイズや配置条件を変更します。

例:[文字高さ/フォント名変更]

また、作業ウィンドウで文字を選択すると、[文字]メニューの〔記入〕パネルまたは[ホーム]メニューの〔文字〕パネルに、文字の情報(フォント名/高さ/幅/間隔)が表示されます。情報を変更すると、指定した文字サイズを変更できます。


[文字の出力サイズ指定変更]

【文字出力サイズ指定変更】コマンドで、文字列の出力サイズ指定を変更します。

例:[出力サイズ指定されている文字列を実寸サイズに変更]

[文字列の編集]

文字列の編集方法として【複数文字修正】、【文字分割】、【文字まとめ】、【文字行分割】、【文字行まとめ】コマンドがあります。

[文字修正]

指定した文字列の追加、挿入、書き換え、削除など文字に関する修正を実行します。

[分割]

指定した文字列を、2つの文字列に分割します。

[まとめる]

指定した2つの文字列を、1つの文字列にまとめます。

[行分割]

指定した1つの複数行文字列を、1行ずつの文字列に分割します。

[行まとめ]

指定した複数の文字列を、1つの複数行文字列にまとめます。

[文字修正]

[分割]

[まとめる]


【文字前後追加】コマンドで指定した文字列の前後に、任意の文字列を追加します。

例:文字列の前に[▽]をつける

[全角半角変換]

【全角半角変換】コマンドで英字・数字・カタカナ・記号を、全角<->半角に変換します。

[文字の線分化]

【文字線分化】コマンドで記入した文字列を、ポリライン化してアウトラインデータを作成します。

ポリライン化した文字は、図形として変形することや塗りつぶしができます。


[文字の検索]

【文字検索】コマンドで、指定した文字列を検索します。

例:[123]

また、【次を検索】または【前を検索】コマンドで検索された文字列を編集後、続けて次の文字列または前の文字列を検索できます。

[文字の置換]

【文字置換】または【文字リスト置換】コマンドで、複数の文字列を置き換えられます。

例:[123→ABC]

【文字計算置換】コマンドで、指定した文字列の数値部分に対して四則演算を行い、計算結果の文字列に書き換えられます。


【文字交換】コマンドで、図面に書かれた文字列を指示すると、マウスホイールを回転させる度に関連する他の文字列に置き変えられます。

【文字アップダウン】コマンドで全角・半角の英数字をクリックすると、カウントアップ、右クリックするとカウントダウンします。

左クリック

右クリック

[文字の整列]

【文字整列】コマンドで複数の文字列を、上下左右の一端、左右中央、または上下中央に揃えます。


[文字の計算]

【文字集計】または【文字合計・平均】コマンドで、指定範囲内の文字列の個数や数値を計算して、結果を図面に記入します。

【文字合計・平均】 例:[合計値]

【文字集計】 例:[使用文字パターンの集計(列挙)]

[文字調整]

【文字調整】コマンドは、複数のコマンドに分かれた文字の位置やサイズなどを微調整する25個の機能が、一か所に集約されています。

※本コマンドは、「文字調整4」(著作権:岩佐憲一)を基に開発しています。


例:「文字位置調整」のY方向の調整

文字修正アシスト

文字列を編集すると、編集内容を記憶します。アクティブ図面で同じように修正できる文字列がある場合に、ステータスバーにを表示し、通知します。

をクリックすると、通知内容がダイアログで表示されます。

修正したい項目に☑を入れ、[実行]ボタンをクリックすると、文字列の内容を修正します。


文字の直接入力/編集

【直接文字入力/編集】コマンドで表示される書式バー、または[文字]メニューの〔記入〕パネルの【文字サイズ設定】コマンドで文字のサイズやフォントなどを設定し、文字を直接入力します。

また、記入した文字列の内容を直接編集することや、文字のサイズやフォントなどを変更できます。

また、セットアップ時に設定した「操作方法」で「線描画優先」とした場合は、文字列上で[Ctrl]キーを押しながら右クリックしても実行できます。

[文字の入力]

コマンドを実行し、記入位置をクリックすると、エディットボックスが表示されます。文字列を入力し、エディットボックス外をクリックすると、文字が確定します。

[文字の編集]

配置した文字をクリックし、範囲を指定して文字を書き換えます。


また、書式バーから1文字ごとに文字のフォントやサイズ、色などを変更できます。

文字書式(フォントやサイズ、色など)が異なる文字列は、マルチテキストとなります。マルチテキストは、【分解】コマンドで、同じフォントやサイズごとに1つの文字列に分解できます。

また、DRA-CAD8以前では、マルチテキスト(一つの文字データに複数の書式がある文字)は制御コードがはいった文字データになります。


文字の表記

図面に文字を記入する場合に、文字のまわりに矩形、円、楕円などの図形やフリーハンドの雲形、吹き出しなどを、以下のコマンドで描くことができます。

【モクモクペン】 コマンド

マウスドラッグまたはクリックで図面上にモクモクとポリ円弧を作図します。

  • 「文字入力」に☑を入れると、文字を一緒に記入できます。

【注記 】コマンド

マウスドラッグまたはクリックで図面上にフリーハンドのラインまたは吹き出しを作図します。フリーハンドのラインはポリライン、吹き出しはパッケージデータとして作成されます。

  • 「文字入力」に☑を入れると、文字を一緒に記入できます。

【文字囲み 】コマンド

マウスドラッグまたはクリックで指定した文字のまわりに、矩形や円、楕円を作図します。

  • 引き出し線や寸法線、パッケージ内の文字列を指定することもできます。


補足

  • DRA-CADフォントの場合は、文字の高さ・幅・間隔を設定して文字列長さを調整しますが、TrueTypeフォントでは、文字の幅や間隔をフォントごとに持っています。
    特にプロポーショナルフォントの場合はフォントが持っている幅や間隔を使用した方がバランス良く表示されます。TrueTypeフォントを使用する場合は、幅と間隔に「0」を設定します。
    TrueTypeフォントで幅を「0」にした場合は、半角文字やスペースの幅が全角文字の約半分になります。
    DRA-CADフォントの幅を「0」に設定すると、高さと同じ値が使われます。
  • 文字のオプションで「半角幅半分」を設定すると、高さと幅を同じ値で設定していても、半角文字やスペースの幅が全角文字の約半分になります。

  • メモ帳などで作成したテキストファイルから読み込んで記入することや、文字列を登録したテンプレートから指定して記入することもできます。
  • 【属性/書式コピー】コマンドでは、既存の文字と、同じ書式(フォント、高さ、幅、改行幅、表示オプション)に変更できます。