2.2.2 レイヤ

1枚の図面に対して257枚(0~256番)の透明なシート(レイヤ)が用意されていて、描いた図形は指定されたレイヤへ描き込まれます。

これらのレイヤは1枚1枚表示、非表示の指定ができるため、作図途中で編集したくない部分を画面上から見えないようにできます。非表示にしたレイヤは画面上に表示しないだけで、消去されるわけではありません。DRA-CADでは表示されるレイヤを編集対象とするため、不必要なレイヤを非表示にすることにより、表示や検索がスピードアップし、作図効率があがります。

また、レイヤをロック、または退避することで、編集対象から外せます。

[全レイヤ表示]

[レイヤ1:通り心]

[レイヤ20:壁]

[レイヤ22:建具]


補足

  • 塗りつぶしを行った時の描画順は、レイヤに依存します(オブジェクトや画像を作成した場合も同じ)。

レイヤは【環境設定】コマンドの「表示」-「全般」-「描画順」で設定した順番で同一レイヤ内はデータの並び順で重ねて表示されます。

  • 初期値は【環境設定】コマンドの「表示」-「全般」-「図面定義の描画順を使う」に☑が入っています。その場合は、【図面設定】コマンドの〔原点と色、枠〕タブの[描画順]が反映されます。


「レイヤの小さいものが上」

違うレイヤを重ねた場合

同じレイヤの場合

ただし、【環境設定】コマンドの「表示」-「全般」-「描画モード」で[DirectX]を設定した場合、同一レイヤ内は上から以下の順番で表示されます。

①点・マーカー・ライト・カメラ

②線分

③文字

④塗図形

⑤画像・OLE図形


レイヤの設定

【レイヤ設定】コマンド、または【レイヤパレット】で、現在のレイヤの「表示/非表示」、「ロック/アンロック」、「退避/退避解除」、「印刷する/しない」など、レイヤ状態の確認や設定、変更などを行えます。

レイヤは0~256番の番号で指定します。レイヤに名称を付けられます。

設定したレイヤ名はデータファイルに登録されます。

ステータスバーのレイヤ番号の横にも名称が表示されます。


ロックレイヤについて

レイヤをロックします。ロックにすると画面上に図形は表示されているが、編集できない状態になります。ロックしたレイヤの図形は、表示色が【環境設定】コマンドの「表示」-「色」-「システム色」の[ロック]で設定した色になります。

[レイヤをロックするコマンド]

【ロックレイヤ指定】        

指定したレイヤをロックします。

【ロックレイヤの範囲外指定】

指定した範囲外のレイヤのみロックします。指定した範囲のレイヤはロックされません。

[レイヤロックを解除するコマンド]

【全ロックレイヤ解除】

すべてのロックレイヤを解除します。

退避レイヤについて

レイヤを退避します。退避にすると画面上から図形が非表示となり、印刷、編集できない状態になります。退避したレイヤの図形は、全レイヤ表示しても表示されません。

[レイヤを退避するコマンド]

【退避レイヤ指定】

指定したレイヤを退避します。

[退避レイヤを解除するコマンド]

【退避レイヤ解除】

指定したレイヤの退避を解除します。退避を解除した時に、レイヤが表示状態ならば表示されます。

【全退避レイヤ解除】

すべての退避レイヤを解除します。


レイヤの表示・非表示

編集したくないレイヤを非表示にすることにより、表示や検索がスピードアップし、作図効率があがります。

[レイヤを表示するコマンド]

【全レイヤ表示】

すべてのレイヤを表示します。

【表示レイヤ指定】

非表示になっているレイヤを図面から指定して表示します。

【表示レイヤキー入力】

非表示になっているレイヤをキーボードから番号を入力して表示します。

【表示レイヤの範囲指定】

指定した範囲のレイヤのみ表示し、それ以外のレイヤを非表示にします。

[レイヤを非表示するコマンド]

【全レイヤ非表示】

すべてのレイヤを非表示にします。

【非表示レイヤ指定】

表示しているレイヤを図面から指定して非表示にします。

【非表示レイヤキー入力】

表示しているレイヤをキーボードから番号を入力して非表示にします。


レイヤ状態の保存と表示

現在表示しているレイヤの状態(表示/非表示、ロック/アンロック、退避/退避解除、印刷する/しないなど)を、保存または表示できます。

[レイヤ一覧 ]

レイヤを一覧表示し、レイヤ状態の確認や変更、レイヤ名を編集できます。
初期状態では、現在表示中の画面状態で各レイヤが表示されます(図面枠は表示されません)。

補足

  • 【環境設定】コマンドで以下の設定が行えます。

「操作」-「操作体系」

-「削除、レイヤ操作、拡大」の[右クリックで戻る。拡大は即終了]に設定した場合は、以下のコマンドの解除はプリミティブのないところをクリックします。右クリックすると、直前に選択されたプリミティブを元に戻すことができます。

【表示レイヤ指定】【非表示レイヤ指定】【ロックレイヤ指定】【退避レイヤ指定】

【表示レイヤ範囲指定】【ロックレイヤ範囲外指定】コマンド

「操作」-「マウス」

-「ホイールクリック」でMicrosoft IntelliMouseのホイールに機能を割り付けられます。

-マウスに第4、第5ボタンがある場合は、機能を割り付けられます。

[レイヤ状態保存 ]

現在表示されているレイヤの状態を名前をつけて保存、または保存したレイヤの状態を呼び出します。

[レイヤグループ設定 ]

複数のレイヤをグループ化(1つの固まり)して名称をつけます。
グループ化したレイヤは、レイヤの状態を一度に設定できます。

例:001:LayerGroupのレイヤを非表示にする (所属レイヤ番号 1~16が非表示になる)

レイヤ1(通り心)

レイヤ2(通り芯符号)

レイヤ3(寸法線)

レイヤ4(補助線)

が非表示


[レイヤアニメーション ]

レイヤの表示状態を設定し、設定したレイヤの表示状態を連続して表示することで、動画として再生します。また、AVIファイルで保存できます。