レンダリングの設定

[リボンメニュー]

[レンダリング(G)]メニュー〔レンダリング〕パネルの(4)

[コマンド名称]

RSET

[コマンドコード]

J377

[ショートカット]

[ポップアップメニュー]

15ページ

[プルダウンメニュー]

[レンダリング(R)][レンダリングの設定(T)]

レンダリングの設定を行います。

ダイアログ

〔レンダリング関連〕タブ

①明るさの計算方法を設定します。

[フォトンマップを使う]        

フォトンマップを使いレンダリングを行う場合に☑します。

フォトンマップを使うと、光源から放射された光(フォトン)が物体に反射しながら到達する場所を計算します。そうして出来た光の到達先の分布をフォトンマップと呼びます。フォトンマップは直接照明から照らされる部分だけでなく、間接的に照らされる部分も計算します。これまでのレンダリングで行っていた補助光源や材質の環境光が不要になり照明の設定が簡単になります。フォトンマップを使うレンダリングでは、従来のライト図形を使わず、材質にルーメンを設定するだけで光源を設定できます。線光源や面光源など物体の形状で照明を設定できます。


[フォトンの数]        

フォトンが多いほど精密に光の到達を調べられます。フォトンマップを作ることをフォトンマッピングと呼びます。フォトンマッピングでは、光を粒子(フォトン)とみなし、その粒子の一つ一つの到達先を計算します。

[視感度]        

数値が1.0に近いほど全体が明るくなります。フォトンマップを使ったレンダリングでは、照明機器のルーメン値を設定しても想像している明るさにならない場合があります。人間の目には順応性があり暗い室内でも、時間が経つと明るさを適切な感度に調整します。視感度はこの調整を手動で行うものです。レンダリングの結果に合わせて値を調整します。

[太陽光を使う]        

【太陽光】コマンドで設定した緯度経度と日時に太陽があるものとしてレンダリングを行う場合に☑します。

[天空光を使う]        

直接太陽から照らされた光以外に、太陽光は空気中で散乱して空全体からも光として照らされます。この空全体からの光を天空光と呼びます。フォトンマップの作成時に、この天空光を計算に含める場合に☑します。外が見えない、または外光の影響が無い室内などのレンダリングでは天空光は不要です。

[曇天率]        

天空光は空の曇り具合で明るさが変わります。この曇り具合を曇天率と呼びます。曇天率は、0.0を快晴とし1.0に近いほど曇りとなります。但し1.0の場合は天空光を使いません。

[ライトを使う]        

ライトオブジェクトをフォトンの計算に使う場合に☑します。フォトンマップを使えない頃のDRA-CADは照明としてライトを使っています。その様なデータでフォトンを使って計算する場合は☑してください。ライトを使わずに照明機器となる物体の材質にルーメンを適切に設定している場合は、ライトを使わずにフォトンを使ったレンダリングが行えます。

②レンダリングする図形を設定します。

[3次元図形のみ]        

3次元図形(3次元ポリライン、3次元穴ポリゴン)だけをレンダリングします。

[すべての図形]        

2次元図形(閉じたポリライン、厚みがある図形)もレンダリングします。

[裏面ポリゴンを表示]        

裏面にあるポリゴンを表示する場合に☑します。ただし、レンダリングの時間は長くなります。

③アンチエイリアスを指定します。

[なし]        

アンチエイリアス処理を行いません。


[レイの数を増やす]

レイトレース時に1ピクセルごとに何本のレイを飛ばすかを設定します(通常は1ピクセルにつき1本のレイを飛ばします)

[幅]と[高さ]にレイの数を設定します。
幅に3、高さに3を設定すると1ピクセルにつき3×3=9本のレイを飛ばします。そのため、[なし]のおおよそ9倍の時間がかかることになります。しかし、アンチエイリアスの効果が一番高いのは、この方法です。

[隣のピクセルと混色]        

レンダリングが終了後、隣のピクセルの色との平均を出してそのピクセルの色とします。

[幅]と[高さ]に混色するピクセルの数を設定します。
幅に3、高さに3を設定するとピクセルの周り9ピクセルの色平均を計算し、その色を設定します。[レイの数を増やす]より高速ですが、かなり輪郭がぼやけます。

[アンチエイリアスなし]

[レイの数を増やす]

[隣のピクセルと混色]


④レンダリングでの計算について設定します。

[反射回数]        

光の反射を繰り返す回数のことで、初期値は「3」です。
特に鏡を向かい合わせたような反射を設定した図形が正対する間では回数の数値を増減させる必要があります。

[反射回数1]

[反射回数3]

⑤レンダリングするウィンドウのサイズを設定します。

どちらも☐の場合は、アクティブなウィンドウのサイズになります。

[指定サイズ]        

設定した幅と高さのウィンドウでレンダリングする場合に☑し、幅と高さ(ピクセル単位)を設定します。

[ウィンドウの倍率]        

アクティブなウィンドウに対する倍率でウィンドウのサイズを設定する場合に☑し、倍率を設定します。

⑥リハーサルレンダリング時のウィンドウのサイズを指定します。
例えば[1/4]の場合、通常のレンダリングウィンドウの1/4の大きさでリハーサルレンダリングを行います。

⑦ステレオレンダリングで作成される画像の色を指定します。

[カラー]        

レンダリング結果の画像をカラーで作成します。

[モノクロ]        

レンダリング結果の画像をモノクロで作成します。

⑧レンダリング中に使用するメモリの量を指定します。
メモリの量を[大]とすると、レンダリングのスピードは上がりますが、大量のメモリを必要とします。

⑨レンダリング中のスレッド優先順位を指定します。
[レンダリング計算最優先]を指定した場合は、CPUのほとんどがレンダリング計算に使用され、レンダリング速度は速くなりますが、他の作業を行うのは困難になります。

[使用コア数]        

レンダリング中に使用するCPUのコア数を指定します。
コア数が大きいほど、レンダリングのスピードは上がります。コア数を一番大きな値にすると、レンダリング中に他の操作を行うことが難しくなります。

⑩レンダリング終了を知らせる方法を指定します。

[サウンドなし]        

レンダリングが終了後、音を再生しません。

[WAVファイル]        

レンダリングが終了後、設定したWAVファイルの音を再生します。

[参照]ボタン        

開くダイアログを表示し、参照したいWAVファイルを選択します(詳細は【開く】コマンドを参照)。

[再生]ボタン        

音を再生し、確認することができます。

[計算時間表示]        

レンダリング終了後に、計算時間のダイアログを表示する場合に☑します。


〔ファイル関連〕タブ

①ライト、材質のライブラリを保存または読込むフォルダーを指定します。

通常は【環境設定】コマンドの保存」-「全般」-[DRA-CADが使用するファイルの場所]のフォルダーに自動的に作成されます。

[参照]ボタンをクリックすると、フォルダーの参照ダイアログを表示し、フォルダーを指定することができます。

②設定する項目を☑します。

[MMLファイルのバージョン]

MMLファイルのバージョンが異なる場合に、警告のダイアログを表示します。
☑にすると、ダイアログを表示せずにファイルを開きます。

[自動保存]        

レンダリング中に設定された条件になったときに自動保存します。
自動保存の条件は、レンダリングの開始、または前回の自動保存から指定時間が経過し、かつ指定行数(Y方向)レンダリングされたときに自動保存を行います。