材質変更
[リボンメニュー] | [レンダリング(G)]メニュー→[材質変更(0)] | |
[コマンド名称] | MPROP | |
[コマンドコード] | J391 | |
[ショートカット] | - | |
[ポップアップメニュー] | 15ページ | |
[プルダウンメニュー] | [レンダリング(R)]→[材質変更(D)] |
材質の種類、色などを表示・設定します。
設定を変更したい図形を指定すると材質変更ダイアログが表示され、材質の種類、色などを変更することができます(『ユーザーズマニュアル』の「第3章3次元操作」の「3.5.3材質」を参照)。
■ダイアログ
〔材質名と色〕タブ
①設定する材質番号を選択します。材質は、1図面につき0番から200番まで201個設定することができます。ただし、自由に設定できるのは、1番から200番までになります。
②設定した材質のプレビューを見ることができます。このプレビューでは球の上部からライトを照射し、真横から見た場合を表示します。
③設定されている材質に名前を設定します。材質名をつけることによって材質の管理がしやすくなります。
キーボードから文字を入力します。設定できる文字数は、半角で31文字(全角で15文字)までです。
④材質の色を設定します。「赤」「緑」「青」のRGB値で設定します。
[参照]ボタンをクリックすると色の設定ダイアログが表示され、材質の色を設定することができます(詳細は【カラー設定】コマンドを参照)。
⑤紙や木などの材質は、光が一方向から当たっていても、どこから見ても同じ明るさに見えますが、つるつるのプラスチックやガラスなどは、光の当たっている箇所が1番明るく見えます。
このような反射する光の明るさを設定します。「赤」「緑」「青」のRGBで指定します。「0」に近いとマットな質感になり、「255」に近いと金属やガラスなどの滑らかな質感になります。
[参照]ボタンをクリックすると色の設定ダイアログが表示され、光の明るさを設定することができます(詳細は【カラー設定】コマンドを参照)。
[鏡面反射指数]
光に当たって光って見える部分の面積を指定します。この指数が大きいと面積が狭くなり集束した反射光になり、小さいと面積が広くなりぼやけた反射光となります(通常は10~200位を設定)。
鏡面反射係数:255(白色) | 鏡面反射係数:0(黒色) | |
[鏡面反射指数2] | [鏡面反射指数50] | |
⑥[レンダリングの設定]コマンドで「フォトンマップを使う」設に定の場合は、照明よる光が床や壁で反射されます。「フォトンマップを使う」場合は、[環境光]の設定は使われません。
例えば、実世界での部屋では照明による光が床や壁で反射されるため、机や椅子の下では照明が直接届かなくても見ることができます。「フォトンマップを使わない」設定の場合、環境光はこの床や壁で反射される光を一定とみなし、ポリゴンに直接光が当たっていなくてもここで設定された光がポリゴンに当たります。
材質の色に対する割合を0以上の数値で設定します。1に近いと光が直接当たっていない所が明
るくなり、0に近いと光が直接当たっていない所が暗くなります。例えば、0.1に設定すれば、環境光は拡散光の1割となります。
[環境光0.1] | [環境光1.0] | |
[ルーメン]は、「フォトンマップを使う」設定の場合に照明のように発光する物体に設定します。明るさはルーメン数値で設定します。ルーメンの値は、照明機器に一般的に記載されている数値です。例えば30形蛍光灯では約2,000ルーメンとなります。
⑦シェーディングなしにすると、ライトの影響による陰影の計算をしません。照明などの光っている物体(発光体)を表現するときに利用できます。
[☐シェーディングなし] | [☑シェーディングなし] | |
⑧材質色と係数ダイアログが表示され、材質色と拡散光係数、鏡面反射光係数より拡散光と鏡面反射を設定します。拡散反射(kd)と鏡面反射(ks)がkd+ks≦1.0の状態を基本に設定します。
⑨材質のインポートダイアログを表示します。ここでは、他図面で登録している材質の設定を読込みます。
❶ [参照]ボタンからコピーしたいファイルを選択する ❷左側に参照ファイルの材質が表示される | |
❸左側のコピーしたい材質を選択する ❹右側の空いている番号(例:5番)「使用されていません」を選択する ❺[≫]ボタンをクリックすると、5番にインポートされる |
[参照]ボタン
ファイルを開くダイアログを表示し、材質を読込みたいファイルを選択します(詳細は【開く】コマンドを参照)。
[すべて選択]ボタン
[コピー元材質]をすべて選択します。
[すべて解除]ボタン
選択した[コピー元材質]をすべて解除します。
[>>]ボタン
選択した[コピー元材質]を[現在の材質]にコピーします。
[元に戻す]ボタン
直前に行った操作を元に戻します。
[やり直し]ボタン
元に戻した操作をやり直します。
⑩ライブラリダイアログを表示します。材質の設定の登録や読み込みができます(詳細は【材質ライブラリ】コマンドを参照)。
設定したい材質を選択し、[材質設定]ボタンをクリックすると、材質変更ダイアログに設定されます。
〔透過・反射と影〕タブ
①鏡やガラスなどを表現するときに、周囲が映り込む率(0以上1未満)を指定します。0の場合はまったく反射しない物質となり、1になると周りの物体が鏡のように完全に映り込みます。例えば、紙や木は0の値、プラスチックやガラスは1に近い値で設定します。
[反射率0.0] | [反射率0.5] | |
②材質の透明度(0以上1未満)を設定します。0の場合は不透明、0より大きく1未満までが半透明、1になると、色が設定されていても透明になり、何も表示されません。
[透過率0] | [透過率0.8] | |
③光が物質内へと入射する場合の屈折率(空気に対する相対屈折率:0より大きな値)を設定します。水面、ガラスなどの透過度が設定されている物質で効果が得られます。[空気]ボタンをクリックすると、空気の屈折率(=1.00)が設定されます。
[屈折率1.00(空気)] | [屈折率2.44(ダイアモンド)] | |
④この材質が他のポリゴンに対して影をおとす場合に☑します。【ライト作成】コマンドの[影生成]とこの[影生成]のどちらも☐の場合は、他のポリゴンに対して影を生成しません。
〔テクスチャー〕タブ
レンガやタイルなどの模様の画像を3次元モデルに貼り付けた表現ができます。テクスチャーは、素材をデジタルカメラで撮ったり、【画像編集】コマンドやペイントアプリケーションなどで作成し、画像ファイル(bmp、jpg、jpeg、tif、tiff、png)として用意しておきます。
①モデルの表面に画像を貼り付ける場合に☑します。
☐の場合は、ポリゴンは〔材質名と色〕タブで設定した材質の色で描画されます。
②画像のあるフォルダー、ファイルを設定します。
[参照]ボタンをクリックすると開くダイアログを表示し、貼り付ける画像ファイルを指定します(詳細は【開く】コマンドを参照)。
例>C:¥Users¥(ユーザー名)¥Documents¥archi pivot¥dracad 2025¥LIBRARY¥Texture
③画像1枚の大きさを「高さ」と「幅」で設定します。「高さ」と「幅」が0の場合は貼り付けられません。
高さと幅の設定により、ポリゴンに貼り付ける枚数が決まります。
例えば、高さ/幅500と設定すると、高さ/幅1000㎜のポリゴンには、高さ/幅2枚のテクスチャーが貼られます。
[高さ/幅1000] | [高さ/幅500] | |
④画像の向きはポリゴンの始点と第1辺の方向によって決まります。画像の向きを変更してレンダリングしたい場合に☑します。
[左右反転]
画像を左右反転してポリゴンに貼り付けます。
[上下反転]
画像を上下反転してポリゴンに貼り付けます。
[回転]
画像を反時計回りに90度回転してポリゴンに貼り付けます。
〔アルファ〕タブ
ペイントアプリケーションなどを使用して、画像ファイル(bmp、jpg、jpeg、tif、tiff、png)を用意します。画像ファイルの黒色部分に相当する位置では不透明(〔材質名と色〕タブで設定した拡散光係数、または〔テクスチャー〕タブで設定したテクスチャー画像でレンダリングされます)、白色の部分は完全に透明として、後ろの物体が透けて見えるようにレンダリングされます。
色 | 黒(0) | 濃い灰色(64) | 灰色(128) | 薄い灰色(192) | 白(255) |
透過率 | 0(不透明) | 0.25(半透明) | 0.5(半透明) | 0.75(半透明) | 1(透明) |
パンチングや欄間、樹木などの隙間が多く、モデリングが大変な物体に利用すると便利です。モデリングの手間がはぶけるだけでなく、1つの面で複雑な形状を表現できるので、データ容量も抑えることができます。ただし厚みのある物体には向きません(樹木などに利用する場合、視線を考慮してポリゴンを配置しないと不自然に見えます)。
モデルの表面に貼り付ける画像について設定します(詳細は〔テクスチャー〕タブを参照)。
[☑テクスチャー] | [☑アルファ] | [☑テクスチャー+☑アルファ] |
〔バンプ〕タブ
通常、モデリングで凸凹の形状を作成してレンダリング結果も凸凹にすることができますが、バンプマッピングを設定すると、指定した画像の明暗によって面の法線ベクトル(面に垂直なベクトルでこれによって面の明るさや色が変わる)が変化し、平らなポリゴン1つでも凸凹を表現することができます。材質表面のざらつき感やタイルの目地などの表現ができます。ペイントアプリケーションなどを使用して、画像ファイル(bmp、jpg、jpeg、tif、tiff、png)として用意しておきます。画像ファイルの黒色から白色部分に変化するとき、法線ベクトルが変化するようにレンダリングされます。
モデルの表面に貼り付ける画像について設定します(詳細は〔テクスチャー〕タブを参照)
[☑テクスチャー] | [☑バンプ] | [☑テクスチャー+☑バンプ] |
補足