トイレの適正器具数算定(任意利用型)

[リボンメニュー]

[補助(A)]メニューから[トイレの器具数(任意)(O)]をクリック

[コマンド名称]

TOILETANY

[コマンドコード]

J828

[ショートカット]

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[プルダウンメニュー]

[建築(K)][トイレの適正器具数算定(任意利用型)(O)]

トイレの男女別の利用者数と待ち時間等の利用条件を考慮してトイレの適正器具数を算定します。

コマンドを実行すると、トイレの適正器具数算定(任意利用型)プログラムが起動し、トイレの適正器具数を算定します。

概要

●本プログラムは、トイレの男女別の利用者数と待ち時間等の利用条件を考慮して、トイレの適正器具数を算定します。

● 算定方法は「空気調和衛生工学会の算定方法」に準じた算定方法を採用しています。

● 算定条件は、主に空気調和衛生工学会の算定基準値を使用します。

● 3段階のサービスレベルが設定でき、設計者が適当と思われるレベルを選ぶことができます。

● 算定結果はレベルごとの器具数および器具ごとのグラフとして表示します。

● 算定結果・算定条件・グラフはクリップボードにコピーすることができます。

● 算定条件をカスタマイズできます。

対象

● 対象となるトイレの利用形態は以下の3つのうちの「任意利用形態」とします。

利用形態

特徴

任意利用形態

トイレが随時利用される場合で、利用時間の偏りが少ない。

集中利用形態

休み時間または休憩時間にのみ利用される場合で、 一定時間内に利用者が集中する。

通過利形態

駅やバスターミナル、サービスエリアなどの通行者が対象で、ピーク人員の予測が困難。

● 対象となる主な用途は以下の4つとします。

利用人員

用途

同等な用途例

準定員形

事務所等

事務所・官公庁・工場・研究所

不定形

店舗等

店舗・百貨店・量販店・ショッピングセンター・博物館・美術館・見本市会場・ホテルロビー・宴会場・病院(外来部門)・公園・遊園地

定員形

寄宿舎等

寄宿舎・寮・食堂・喫茶店・(会議室)・(幼稚園)

定員形

病院(病棟

病院の病棟

※戸建住宅、集合住宅、旅館、ホテル、モーテル等は、1戸単位、室単位が基本となるので対象外とします。

● 対象となる衛生器具は以下の5つとします。

 ・男子大便器

 ・男子小便器

 ・男子洗面器

 ・女子大便器

 ・女子洗面器

算定結果について

本プログラムは、「SHASE-S 206-2009 給排水衛生設備規準・同解説(*1)」に基づいていますが、トイレの適正器具数は用途や利用条件により変わりますので、一義的に決まるものではありません。

算定結果はあくまでも設計の参考とし、実際の設置個数は設計者にて決定してください。

*1:社団法人 空気調和・衛生工学会

ダイアログ

用途

用途を選択します。
用途は以下の4つがあります。
 ・事務所等
・店舗等
・寄宿舎等
・病院(病棟)


想定利用人数

トイレを利用する男女別の想定人数を指定します。

最大数は用途によって変わります。

 ・事務所等:300人

 ・店舗等:1000人

 ・寄宿舎等:100人

 ・病院(病棟):100人

[人数算定]ボタンを押すと、人数算定ダイアログを表示し、面積や人口密度などから利用人数を求めることができます(詳細は、「人数算定ダイアログ」参照)。

推奨値

空気調和衛生工学会が定めた推奨値を各パラメータに採用します。

算定用パラメータ

到着率

単位時間内の到着人数 単位=[人/分×100人]

占有時間

1回利用あたりにかかる時間 [s]

待ち時間  

想定する待ち時間

待ち時間の確率

指定した待ち時間以上待つ確率

算定結果グラフ

算定結果を衛生器具毎にグラフ表示します。

占有時間

1回利用あたりにかかる時間 [s]

待ち時間  

想定する待ち時間

待ち時間の確率

指定した待ち時間以上待つ確率

実行ボタン

[クリップボード]ボタン

設定値とグラフ(画像)をクリップボードにコピーします。
Excel等に貼り付けることができます。

[終了]ボタン

本プログラムを終了します。

[ヘルプ]ボタン

ヘルプを表示します。


人数算定ダイアログ

人数算定[事務所等]

①[算定人数]

男性および女性の算定人数を表示します。

人数は自動計算されます。

※最大人数を超えた場合は背景が赤になりますので、設定を変更してください。

②[算定条件]

面積

対象となる床面積を入力します。

密度

人口密度を入力します。

男女比率

男女比率を入力します。

密度の参考値

一般的に使われる密度の値を表示します(ダブルクリックでその値を採用します)。

男女比の参考値

一般的に使われる男女比の値を表示します(ダブルクリックでその値を採用します)。

共通のボタン(各ダイアログ共通)

[OK]ボタン

設定した値を採用します(最大人数を超えた場合は実行できません)。

[キャンセル]ボタン

設定した値をキャンセルして戻ります。


◆人数算定[店舗等]

①[算定人数]

男性および女性の算定人数を表示します。

人数は自動計算されます。

※最大人数を超えた場合は背景が赤になりますので、設定を変更してください。

②[算定条件]

面積

対象となる床面積を入力します。

密度

人口密度を入力します。

男女比率

男女比率を入力します。

密度の参考値

一般的に使われる密度の値を表示します(ダブルクリックでその値を採用します)。

男女比の参考値

一般的に使われる男女比の値を表示します(ダブルクリックでその値を採用します)。

◆人数算定[寄宿舎等]

①[算定人数]

男性および女性の算定人数を表示します。

人数は自動計算されます。

※最大人数を超えた場合は背景が赤になりますので、設定を変更してください。

②[算定条件]

定員数

対象となる定員数を入力します。

男女比率

男女比率を入力します。


◆人数算定[病院(病棟)]

①[算定人数]

男性および女性の算定人数を表示します。

人数は自動計算されます

※最大人数を超えた場合は背景が赤になりますので、設定を変更してください。

②[算定条件]

病床数

対象となる病床数を入力します。

歩行可能者数割合

全病床数のうち歩行可能者が利用する割合を入力します。

男女比率

男女比率を入力します。


操 作

1.用途を指定します。

2.男女ごとの想定利用人数を指定します。

3.必要に応じて各パラメータの値を変更します。

[推奨値]ボタンを押して「空気調和・衛生工学会」が推奨する算定基準にすることができます。

4.クリップボードに算定結果をコピーします。

[クリップボード]ボタンを押して、算定結果・算定用パラメータ・算定グラフ結果をクリップボードにコピーします。

5.クリップボードのデータを利用します。

Excel,Word等の他ソフトにクリップボードの内容を貼り付けて利用します。


クリップボードにコピーされる内容

クリップボードには以下のようにテキスト(タブ区切り)と画像がコピーされます。

[テキスト]

[画像]


器具数の算定方法

待ち行列理論の適用

本プログラムでは、器具の使われ方を「M/M/s」タイプの待ち行列として計算します。

これは、あらかじめ設定した待ち時間[t]に対して、これより長く待つ確率[P]が一定のレベルの評価確率[Pe]より低くなるような最小器具数を計算します。

P(>t)<Pe

例えば、「t=10 Pe=0.05」の場合は、

「待ち時間が10秒以上であることの確率が5%以下」

となる器具数になります。

サービスレベル

適正器具数の算定にあたっては、「最低限度」「標準的」「ゆとりある」の3段階のサービスレベルの基準値を定めて比較します。

サービス

器具数の目安

サービスレベルの目安

レベル1

ゆとりある器具数

待つことが少ない良好なレベル

レベル2

標準的な器具数

一般的なサービスレベル

レベル3

最低限度の器具数

最低限のサービスレベル

空気調和衛生工学会の算定基準

空気調和衛生工学会は、トイレの占有時間や待ち時間などの調査データをもとにして、妥当な3段階のサービスレベルの器具数が算定できる基準値を公開しています。

一般的に、算定基準値は、場所性、利用者層、利用頻度によって変わりますが、 通常の設計ではこの基準値を使うことをお勧めします。


用途別適正器具数の算定条件

事務所、百貨店・量販店、寄宿舎および病院(病棟)の適正器具数の決定のための算定条件は以下とします。

用途

器具

到着率

[人/分×100人]

占有時間

[秒]

待ち時間の評価尺度

レベル1

レベル2

レベル3

事務所

男子大便器

0.130

300

P(>10)<0.05

P(>60)<0.05

P(>120)<0.05

男子小便器

0.600

30

P(>0)<0.01

P(>10)<0.01

P(>30)<0.01

男子洗面器

0.700

20

P(>0)<0.01

P(>10)<0.01

P(>20)<0.01

女子大便器

0.600

90

P(>10)<0.01

P(>40)<0.01

P(>90)<0.01

女子洗面器

1.000

30

P(>0)<0.01

P(>10)<0.01

P(>30)<0.01

百貨店

量販店

男子大便器

0.080

240

P(>10)<0.05

P(>60)<0.05

P(>120)<0.05

男子小便器

0.300

30

P(>0)<0.01

P(>10)<0.01

P(>30)<0.01

男子洗面器

0.250

30

P(>0)<0.01

P(>10)<0.01

P(>20)<0.01

女子大便器

0.300

90

P(>10)<0.01

P(>40)<0.01

P(>90)<0.01

女子洗面器

0.350

30

P(>0)<0.01

P(>10)<0.01

P(>30)<0.01

寄宿舎

男子大便器

0.650

300

P(>10)<0.05

P(>60)<0.05

P(>120)<0.05

男子小便器

0.800

30

P(>0)<0.01

P(>10)<0.01

P(>30)<0.01

男子洗面器

1.700

150

P(>0)<0.01

P(>60)<0.01

P(>120)<0.01

女子大便器

1.000

120

P(>10)<0.01

P(>60)<0.01

P(>120)<0.01

女子洗面器

1.700

210

P(>10)<0.01

P(>60)<0.01

P(>120)<0.01

病院

(病棟)

男子大便器

0.600

360

P(>10)<0.05

P(>60)<0.05

P(>120)<0.05

男子小便器

0.800

45

P(>0)<0.01

P(>10)<0.01

P(>45)<0.01

女子大便器

1.000

180

P(>10)<0.01

P(>60)<0.01

P(>120)<0.01

※空気調和衛生工学会の算定基準より


参考資料

収容人員の算定基準

区分  

主な用途

収容人員の算定方法(規則第1条の3)

1項

劇場

映画館

演劇場

観覧場

公会堂

集会場

次により求めた数の合計

1.従業員の数

2.【客席部分】

 イ.固定席のいす席→いす席の数(長いすの場合:幅0.4mごとに1人 端数切捨)

 ロ.立見席→0.2㎡ごとに1人

 ハ.その他の部分(ます席、たたみ席etc.)→0.5㎡ごとに1人

 ※客席の部分には入口、便所、廊下を含まないこと

2項

3項

遊技場

パチンコ店

ゲームセンター

ボウリング場

ダンスホール

その他 娯楽施設

次により求めた数の合計

1.従業者の数

2.機械器具を使用して遊技を行うことのできる者の数

3.観覧・飲食・休憩用の固定いす席→いすの数

(長いす式の場合は、幅0.5mごとに1人 端数切捨)

その他

キャバレー、カフェ

ナイトクラブ

待合、料理店

飲食店

その他 類するもの

次により求めた数の合計

1.従業者の数

2.【客席部分】

 イ.固定席のいす席→いす席の数(長いすの場合:幅0.5mごとに1人 端数切捨)

 ロ.その他の部分→3.0㎡ごとに1人

4項

百貨店

マーケット

店舗

展示場

次により求めた数の合計

1.従業者の数

2.【主として従業者以外の者の使用に供する部分】

 イ.飲食・休憩用の部分→3.0㎡ごとに1人

 ロ.その他の部分→4.0㎡ごとに1人

 ※売場の床面積は売場内の通路を含む

5項

旅館、ホテル

又は宿泊所

次により求めた数の合計

1.従業者の数

2.【宿泊室】

 イ.洋式の宿泊室→ベッドの数

 ロ.式の宿泊室→6.0㎡ごとに1人

3.【集会・飲食・休憩用の部分】

 イ.固定席のいす席→いす席の数(長いすの場合:幅0.5mごとに1人 端数切捨)

 ロ.その他の部分→3.0㎡ごとに1人

 ※ダブルベッドは2人として算定する

アパート、マンション

居住者の数により算定

6項

病院、診療所

又は助産所

次により求めた数の合計

1.医師・歯科医師・助産師・薬剤師・看護師その他従業者の数

2.病室内の病床の数

3.待合室等→3.0㎡ごとに1人

老人短期入所施設

養護老人ホーム

介護老人保健施設

障害者支援施設

老人デイサービスセンター

老人福祉センター

保育所など

次により求めた数の合計

1.従業者の数

2.老人・乳児・幼児・身体障害者・知的障害者その他の要保護者の数

(a)就寝施設部分は、就寝施設を使用できる最大人数

(b)通所施設部分は、通所施設部分を担当する従業員で対応できると事業側が想定している要保護者の最大人数。この場合において、最大人数と現状で 対応している要保護者の数に隔たりがある場合には実態に応じて得た人数とすること。

幼稚園

特別支援学校

次により求めた数の合計

1.教職員の数

2.幼児・児童または生徒の数

7項

小・中学校、高等学校 その他類するもの

1.教職員の数

2.児童・生徒または学生の数

8項

図書館、博物館、

美術館 など

1.従業者の数

2.閲覧室・展示室・展覧室・会議室・休憩室の床面積の合計→3.0㎡ごとに1人

11項

神社、寺院、協会

1.神職・僧侶・牧師・その他従業者の数

2.礼拝・集会・休憩の用に供する部分の床面積の合計→3.0㎡ごとに1人

12項

工場、作業場、スタジオ

従業者の数

13項

駐車場、飛行機

格納庫

従業者の数

14項

倉庫

従業者の数

15項

上記に該当しない

事業所

1.従業者の数

2.主として従業者以外の者の使用に供する部分→3.0㎡ごとに1人

※(15)項の事業場として官公署・銀行・その他事業所などの防火対象物を含む

16項

複合用途

上記の各用途ごとに分割して、それぞれの用途部分ごとに収容人員を算定し、合算する

16項-2

地下街

17項

重要文化財

床面積5.0㎡ごとに1人